「港風のサーカス」は、牛窓のヨットハーバーの風景を新たな視点から捉え、まるでサーカスの一座が舞台を変えながら旅を続けるように、空と海、そして訪れる人々や季節の織り成す景色を新鮮な視点で見つめ直す作品です。作品には、地元の子どもたちとの共同作業で育まれた創造のエネルギーが加わり、素材と結びつくことで、この地にある温もりや想像力を可視化します。
地元の方々には、自然と日常が溶け合うこの地域の魅力をあらためて再発見していただき、外から訪れる方々には、波音や風のささやきがもたらす「ここ」ならではの空気を体感してほしい。そんな願いを込めました。海辺の心地よい風や、耳をすませば聞こえてくる波音は、ここならではの空気感を生み出し、何度訪れても新たな発見があるでしょう。瀬戸内・牛窓の自然と作品が共鳴し合うことで、この場所や自分自身をあらためて感じ取るきっかけになる。それが「港風のサーカス」の願いです。まばゆい陽光の下でも、夕暮れ時の静けさの中でも、作品は常に変化し、訪れた人の心をかき立てます。